2013年01月17日

バッハ「無伴奏チェロ組曲」第6番(スラーなし)

「無伴奏チェロ組曲」第6番 JPEGJ.S. Bach "Cello Suite" No.6 (D major) without slurs

「無伴奏チェロ組曲」第6番(むばんそうちぇろくみきょくだいろくばん)
ニ長調(スラーなし)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ 作曲、BWV1012

5弦用の原調の楽譜です。

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「無伴奏チェロ組曲」第6番(ニ長調)PDF

本来の難易度で弾ける、5度低く移調したト長調編曲版もぜひお試し下さい。
こちらの記事からどうぞ。
「無伴奏チェロ組曲」第6番、ト長調編曲版

当書庫の「無伴奏チェロ組曲」の楽譜についてはこちらの記事をご覧下さい。

プレリュード第86小節、最後の音は普通アンナ・マグダレーナに従ってA(ト長調版D)ですが、ここではケルナーに従ってG(ト長調版C)としました。アンナ・マグダレーナがミスしたかどうかわかりません。バッハがGからAに変更した可能性も全くないとは言えませんし。しかし私にはGの方が自然に感じられます。いずれにしても一瞬のことで、ほとんど違いはわからないのですが。

第6番のアルマンドは極度に遅く演奏されることが多いのですが、これは楽譜が原因かもしれません。と言うのは、この曲はアンナ・マグダレーナ・バッハやケルナーなどの筆写譜では四分音符ごとに連桁でまとめられているのですが、後の出版譜では八分音符ごとに連桁に切れ目が入っていたり、極端な場合は完全に切り離されたりしているからです。
この曲は四分音符が単位で、実際にほとんど四分音符ごとに和音が変わっており、32分音符、64分音符は装飾的な音階やアルペッジョに過ぎず、八分音符で拍を数える必要はないのです。

当楽譜ではマグダレーナなどの筆写譜の通り、元の連桁を再現しています。他の出版譜と比べると当楽譜の方が32分音符が装飾音であることが一目で分かり、易しく見えることでしょう。

第2小節2拍目と3拍目、アンナ・マグダレーナには低音は何もなく、ケルナーによって加筆しました。しかし2拍目は非常に判読困難で、位置もだいぶ前の方にずれています。

サラバンド第31小節低音最初の音はアンナ・マグダレーナはG(ト長調版、C)ですが、ケルナーには#がついています。これは下のガヴォットと逆のケースですが、こちらの場合はアンナ・マグダレーナが#を書き落としたのだと思います(ちょうど音部記号が変わったところで、当時はそのたびに調号を書いていたので調号だと思ってしまったのでしょう)。前の小節からの低音の動きが半音階となり、自然でなおかつ美しいので、間違いないでしょう。

ガヴォット1の第7小節1拍目、アンナ・マグダレーナの筆写譜には低音E(ト長調版、A)に#がついていますが、これまた組曲第1番のジグの「無視された半小節」同様、すべての編集者から無視されているようです。ケルナーの筆写譜にはありませんから(そもそもケルナーでは音形も少し違う)、多分あとからバッハが付け足したのでしょう。半音階進行にすることで、#が無い場合の無骨な感じが和らぎ、とても洒落ていて、これを無視するなんてもったいないですね。
ブログ本館の記事もどうぞ。

ジーグの第18小節後半、ケルナーは第2小節と同じリズムだが、アンナ・マグダレーナは8分音符3つでE-C#-E。最近はこちらを取る楽譜も出てきている。しかしぼくはこれはアンナ・マグダレーナのミスではないかと思っている。ここで主題を変化させる必然性が全然感じられないからだ。クーラントの第67小節に類似の筆写がある。こちらははっきりとミスと分かるものであるが。
筆写する時は音符を一つずつ書き写すのではなく、あるまとまり、このジーグの場合だったら、付点4分音符分ずつ、あるいは1小節ずつ記憶して書き写して行くだろう。その時前のリズムにつられて、16分音符4つが8分音符2つに記憶が変換されたのではないかと思う。とにかくこの第6番では、ケルナーもアンナ・マグダレーナも最後の曲で疲れて来たのかミスが多いのである。

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「無伴奏チェロ組曲」ヴィオラ版

2013年1月19日、全曲完成しました。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この楽譜は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。

この楽譜は Finale で書きました。
posted by 横山 真一郎 at 23:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 無伴奏チェロ組曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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